2012年3月24日土曜日

私自身のプラモ遍歴

恵六路久住さんのブログ記事「AFVプラモ製作を始めたきっかけ」 に触発され、私も自分の模型歴の始まりについて書こうと思う。

なお、google のblogger には、トラックバックという概念がないため、そういう形式にはなっていない。
恵六路久住 さんには別に連絡を差し上げよう。

さて、自分のも経歴をあらためて回想してみたのだが、実は全然面白くない。
私は1967年生まれの40代。
おおよそ70年代が小学生。80年代の前半に中学高校時代を過ごしている。

私が小学生の頃は、私の住んでいる田舎ですら、プラモデルにあふれていた。その辺の駄菓子屋さんにも訳の分からないキャラクタもの?のプラモデルが売られていたし、安かったので良く買ってもらえた。
78年にはビッグ・ワン・ガムというソフトプラのプラモデル入りガムまで登場。小学生だったが、近所のお店に入荷されるのが楽しみだったのを覚えている。

小学、中学時代は私と同様にプラモデルを作る子供も当然多かった。おおよそではあるが「プラモデル作りが好き。」という子が1割以上いたと思うし、男子の半分以上は作成経験があったと思う
不器用な子の家にプラモデルを作りに行った記憶もある。
高校生の時、自己紹介で「趣味はプラモデル」と言った子がいたが、それは特別奇異なことではない時代だった。
私がプラモデル好きになったことを親は理解して、何かの時の「おみやげ」は必ずプラモデルで、当時の「デコトラ」から、「大阪城」までとにかくいろんなプラモデルを買ってくるもんだから、自然に雑食性が身についたのだなー。
でも、戦車にはあんまりいい顔はしなかったな(^_^;)。

私は、なぜかかなり初期からミリタリーにはまった。戦争映画が好きだったこともあってなのか?詳細は不明だが、とにかく戦闘車両や兵士の服装など、どれもがかっこよく見えたのだ。

「精密に再現する」という模型ならではの魅力に、「フィギュアで情景を高める」というのも魅力的だった。当時からどちらかというとフィギュア作りが好きで、車両はやっぱりジープなどの中までしっかり見えるソフトスキンが好きだった。
おおざっぱに表面だけが見える戦車はあまり魅力的じゃなかったなー。
なぜだろう?私にもよく分からない。昔から細かいことをするのが好きだっただけかも知れない。

当時は模型業界も上向きの時代だったのだろう。1975年(8歳)にタミヤはミリタリーミニチュアだけで、30種類近いキットを発売しているし、1981年(14歳)には、当時のバイクブームにも乗って、初の1/12バイクシリーズ。ヤマハYZR500 グランプリレーサーを発売している。
また、1980年(13歳)には、これまた当時の人気アニメから抜け出した、ガンプラが初登場している。

とにかくプラモデルは今では考えられないほどに、子供の主力の遊びだったのだ。
そして、わたしもその中の一員だっただけのこと。逆に言うと、今の40代の大半が、「プラモデルを全然作りません。」って言うことの方が不自然なのかも知れない。

周りのみんなは中学/高校にいくに従って、プラモデル作りを止めていったが、私は行動範囲が広がっていくのを幸いに、行きつけの店を広げていき、いろいろなアイテムを購入し、作り続けた。
修学旅行のお小遣いとしてもらったお金を、一切使わないで、帰ってきてから、(当時は非常に高額だった)エアブラシやピンバイスを購入したこともあったなー。

高校生の後半になるに従って模型人生も尻すぼみである。高校卒業後の引っ越しで、それまでの模型資産を全て廃棄した気がする。
高校生の後半から20代は、模型どころではなかった。
時代はバブルに向かい、思春期の私は、女の子を追っかけるのに夢中でプラモデルには全く見向きもしなかったのだ。



そして、結婚して子供も出来て、40代になった。
出戻り後のプロセスは本ブログの始まりプラモデル。空白の30年 に以後綴られているので、読んで頂ければと思う。

うーん。70~80年代のプラモ年代記みたいになっているが、個人プロセスとして全然面白くない。恵六路久住さんのような面白い記事は書けなかったなー。残念。

そこで、その頃に作った印象深いプラモデルの思い出を綴る。

1974年発売 アメリカ M113装甲兵員輸送車


当時から現代兵好きの私は、タミヤニュースを見て、「ついに現代車両の登場だー。」「しかも、内装、エンジン付きだぜー。」と喜んだ覚えがあり、作った記憶もある。
しかし、今回調べてみて、1974年製?!7歳!小学2年生でこの製品の発売を待ってたの?異常だー。(私の記憶違いだろうか?しかし、鮮明に覚えているのだが、、、)


1974年発売 アメリカ歩兵G・Iセット



ポケットに手を突っ込んだトミーガンをもつ兵士一体の写真を撮り、「タミヤ パチッ」に応募した記憶がある。
当時は「パチッ」も盛り上がっており、毎年タミヤカタログと同じ、正方形版の大きな特集号が発売されていた。(人形改造コンテストもね!)
ちなみに当時の応募要項は「白黒写真」だった。

よし、今年は「パチッ」「人形改造」をターゲットに据えてみるか?

1975年発売 ソビエト戦車 T34/76 1942年型


ソ連戦車はどれも同じに見えてあまり好きではないのだが、何となく作った。
しかし、この作品、「モールド」、「組みやすさ」とも、大変素晴らしく、とても印象に残っている。

1977年発売 ドイツ IV号戦車D型


地元のオモチャ屋さんのコンテストに出品して(そして、たぶん入賞した)記憶がある。
人前に出すと言うことで、かなり緻密に作った記憶あり。
たぶん初めてドライブラシによるウェザリングを施した作品と思う。
ブラックの服の特徴的な戦車兵、大きなベレーがとても印象的だった。

1981年発売 アメリカ M48Aパットン戦車


現代好きにはたまらなかったパットン戦車。それまでアメリカ戦車と言えば、シャーマン一辺倒で、この車両の登場は嬉しかった。
当時のタミヤニュースには、砲身付け根可動部のシャーリング加工の仕方が載っていたのを覚えている。最前部の曲線が魅力的。突き上がったコマンダーハッチもSFっぽくてかっこよく見えた。

まあ、これだけではなく、70~80年代に発売されたフィギュアは一通り購入しているのではないだろうか?いちいち書いていると本当にきりがないのでこの辺で終わり。

最新模型、ドラゴンやトランペッターのような新興メーカー作品も良いが、こうして並べると懐かしいタミヤも魅力的だなー。

というわけで、過去に作ったことのある小車両を実は発注済み。
次回当たりからその辺の紹介記事が書けるかも?

今回の記事を書くに当たり、「ドムおじさんの小屋」内、「TAMIYA Military miniatures my collections」に、大変素晴らしいタミヤMMシリーズのラインナップと、発売時価格があり、参考資料とさせて頂いた。

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2012年3月23日金曜日

M1の小さな部品を作る。

「新しい作品に取りかかりたいなー。」などと思ってはいる。
作りたいものが沢山あるためか、イマイチ焦点が定まらない。
複数の計画はあるのだが、どれも、「発注済みの商品が届かず、作業にかかれない。」、「手元にあっても、その作品へのエネルギーが湧いてこない。」、「作りたい作品の長いプロセスを想像して、どういう風に作品にはいって良いのか解らない。」、「塗装に集中したいのか?細かく組み立てたいのか、自分の方向性が見えてこない。」ってな感じで、集中できない。

「フィリップ・マーロー」シリーズで有名なハードボイルド小説家「レイモンド・チャンドラー」は、執筆中の作品が停滞して、スランプになっても、毎日、原稿に向かう時間を決めて、書けても書けなくてもデスクに向かったそうである。

すばらしい。私もその辺を見習って、取り合えず模型作りに向かうことにした。
幸い、探せば模型は沢山転がっている。
エッチングパーツどもにウンザリして放置状態だったDragon M1A2sepの副武装、M240を作成してみた。



 弾薬ケースマウント部、銃自体のマウント部の2つのエッチングパーツの他、7個のプラスティックパーツからなるシンプルな構成ながら、非常に細かく、銃口にもしっかり穴が空いている。
細い銃身や、トリガーとなるハンドルは細く要注意である。

ちなみに、弾薬ケースのマウント部分は初めからモールドされており、そのまま接着するか、エッチングに置き換えるか選択できる。

また、銃マウントの部分の下に見える小さな「ポッチ」は1つのプラパーツで出来ており、めちゃくちゃ小さい。私がこれまで作ったプラモデル部品の中で最小部品といって良い。

銃の下に見える大きな半月形の部品で銃を挟むようにして作成するのだが、これがまた合わない。切り欠きになっている部分を加工し直して慎重に接着した。
この部分はどうやら銃のバランスを取るための「重り」のようだ。接着後丁寧に接着線を削った。

弾帯は、実車写真を真似て、縦にグチャグチャ押し込む。振動などの関係で整然と入っている時間は短そうだ。「火であぶると、せっかくのモールドが壊れる」と思いラジオペンチで慎重に曲げた。

かなり慎重に作業をしたためか、たったこれだけの作業に3時間近くかかってしまった。

しかし、なかなか楽しい作業だった。ドラゴンのキットを組むとやっていることが不毛に感じたりし、はかどらず、ストレスを感じるが、「今日はこれだけでいいや」と小さいスパンで少しずつ進めるのが良い方法なのかも知れない。
自分の予測する作業ペースと、実際の作業ペースの誤差がストレスを生み出すのかも知れない。

あまりはかどらないことを前提に作業するのは、フィギュア塗装などでも有効な考え方だろう。
焦るとどうしても仕上がりに「粗末」感が現れてしまう。

小さな作業だったいくつか学んだな!俺!

そして、おまけ。

不覚にもM1A2砲塔後部のメッシュの一部を行方不明に。(T_T)
代替パーツを検索してみた。
こちらの商品が良さそうである。
編み目のサイズ判断が難しいのだが、おおよそいいのでは?


類似商品としてはハセガワのこちらの商品がある。
こちらは同じひし形で、ハセガワ同系列の中で一番編み目の粗い「Lサイズ」。表示寸ではこのサイズでもアメリカ車両1/35には細かすぎる気がする。



でかいエッチングの網が行方不明になるとは!ショックだ。

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2012年3月20日火曜日

完成 Waffen-SS 1944

制作期間が長くなってしまうと、どうしてもだれる。
だれると、心の中に「この作品はもう止め」と言う気持ちは全く無いにもかかわらず、その作品に向かっていく気持ちが、だんだん失われ、作業しなくなっていく。

しかし、そうなるといつまでたっても「これが私の作品です。」というのが無くなってしまい。
いつまでたっても中途半端である。

そこで、「これではいかん!!」と、内心だれ始めてきた本作品を、素早く完成させた。


今回は、たった2人のフィギュアを乗せただけの小さな作品である。
もともとは、顔塗りの方法を、色々ミリテールフォーラムなどで、議論し、自分なりに何度も何度も変更を加えてきたので、その延長として、顔塗り、服塗りといった塗装練習の一環として作ったフィギュアを2体並べてみただけのものである。
それ故、いつもやっているモールドの修正や、パテでポーズを変えたり、装備を追加したりなんていう作業は一切無し。付け加えたのは銃器や装備のベルト類のみである。


フィギュアは2体とも違う迷彩服を着用しているが、共に1944年秋のイメージで塗装している。
この頃のドイツ軍は、たぶん局地的な勝利はあるものの、全体的に防戦一方だったのでは?と勝手に推測し、「敗戦」「秋」「夕暮れ」といった「落日」的な雰囲気を出して見たかった。


1体目のフィギュアが塗り上がった頃に、「これは後半だれるかも」と思い、早々にベースの作成を開始した。正解だったと思う。逆にこういうのはベースからしっかり作っていくのが順番として正しい気がする。
ベースはホームセンターで買ったウッドベース(?楽器じゃないよ)に「ちょっとやばいかも?」と感じ始めていたエポキシパテを盛って造形した。
言わないと解らないのはかっこわるいが、真ん中のへこみは「轍」である。手元にちょうどいいドイツ車両でもあれば、タイヤやキャタピラーの押し当て痕でも付ければ良かったのかも知れないが、、、。
路肩を歩く兵を作る事で、高低差を付けて少しでも立体的にしたかったのが、今回の情景。




このフィギュア、この情景にした理由は、こういった落ち着いた雰囲気のフィギュア、ビネットが、最近の流行のように感じたから。「私も作ってみたい。」と思っただけのこと。
しかし、実際こういう動きのない情景は、「大変難しい」と感じた。
激しい動きのある情景なら、その動きに見合った姿勢、ベースへの取り付けが生まれるが、動きがないだけ焦点をとらえにくく、立たせ方にも苦労した。ちょっと傾くだけで、ずいぶん不安定な感じになる。
個人的にはやっぱりもっと動きのある情景を作りたいなー。




雑草はタミヤの情景ペースト「草グリーン」初めて使用したが、なかなか面白い。手軽に草目を作れるが、上塗りで仕上げるのがベストだろう。今回は、カーキやらブラックによるウォッシングやらイエローでハイライトやら、色々手を尽くした。

エポパテで表面がツルツルだったので荒れ感を表現したい部分だけピグメントをつかった。こちらも初。正直言ってピグメントというものの使い方が今ひとつ解らなかったのだが、今回は塗料に混ぜ込んで、泥の固まりっぽい雰囲気にしてから塗った。

小さな木と落ち葉は自作。低木樹は0.3真鍮線を数本結わえて枝を分岐していき、溶きパテを塗ってそれらしく。枯れ葉は得意の紙工作。鉄筆などでカールさせて瞬間で形をキメながらベースに接着した。けがき針で穴を演出したものもいくつかある。
落ち葉はわざと、明るいオレンジ、イエローで塗り、全体にアクセントをつけた。
地面着色の一部には新導入の「ホルベイン」も(透明色)2色ほど使用。アクリル絵の具の使用感は、大変良いが、やはりややセミグロスに仕上がる傾向有り。

自己評価としては「まあまあ」と言ったところ。
塗装は以前に比べれば大分良くなったが、改善の余地も多い。(ハンビーの頃からはずいぶん違っているのだが、)フィギュアにもう少し表情を付けた塗り方がしたい。迷彩ももっとシャープに塗りたい。
こういう、土の表現のベース作成はほとんど初めてのため、「向上」の評価は出来ないが、初めてにしては良かったかも。面倒くさくなって当初計画していた「直立した草」を加えればもっと良くなっていただろうが、「今回はこれで勘弁してー」と言ったところ。

短期間で作れる今回のようなビネット作りは楽しい。同時に、それなりの仕上がりでも完成して良かったなーと安堵している。


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2012年3月18日日曜日

アクリル塗料について(分類と考察)





一応の完成を見たので、UP。今回はスクラッチ的ないじりは無しと言うことで、塗装メインで望んだ甲斐あり、塗装面では一応の満足を得ることが出来た。
次回は、既出のフィギュアとこちらのセットでビネットを作る。
塗装は、ラッカー下地後、ほとんどがタミヤアクリルカラーを使用。
一番のシャドー、「ブラック」と、一番のハイライト、「ホワイト」のみ、アクリル塗料を使った。


最近、ファレホ(vallejo)を使ってみたくなり、「ミリテールフォーラム」の方々といろいろ議論したり、自分で試したり、いろんなアクリル塗料を使ってみたりして考察してみた。

うちのブログによく遊びに来る方(麦イチゴさん)やミリテールフォーラムでも、現状フィギュア用塗料として一番人気なのがファレホ(vallejo)である。

ファレホの魅力は、まず色数が豊富で、ある程度のセットを揃えれば、混色は不要なんじゃないか?と思えるほど色が多い。

もうひとつは、きめの細かさだ。
これは、自分自身まだ未体験なので、何とも言えない部分も有るのだが、多くの人の作品の仕上がりを見る限り、タミヤに比べ、仕上がりがなめらかになってみえる。
「きめの細かさ」というのは、ビンに筆を突っ込んでペタペタ塗るレベルだと、細かい荒いは、あまり気にならないんじゃないかとおもうが、私の場合、フィギュアに塗る際に、非常に薄くしたものを塗装する。「やっと色が付いている」位の場合もある。そうなるときめが粗い塗料の場合、塗料の「粒子」が現れてしまい、大変気になるのだ。

また、粒子が粗いと結果的に塗料自体も「モッタリ」とした感じになり、「筆運び」や、「塗料ののび」に影響してくる。「筆運び」なんて書くと分かりにくいかも知れないが、目に小さな点を打ったり、細い線を引いたりする際にスムーズか、思い通りにならいか?っていう話だ。最近「塗料の種類によって結構違うな~。」と感じている。

ファレホは日本代理店がある。ネットショップサイトもあるこちらだ。

ボークスネットショップ(ファレホカラー)のページ



自分に対する覚え書きの意味も含めて、以下にアクリル塗料の分類をまとめておきたいと思う。


そもそもアクリル絵の具が生まれたのは、壁画などを書く際、つまり屋外の日光や、雨にさらされても丈夫な絵の具は無いか?っていうところらしい。

初めに生まれたのは、「溶剤型アクリル絵具」らしい。
私たちが使う塗料としては「タミヤアクリル」や「クレオス水性ホビーカラー」がこれに属すると思われるが、厳密には違うものかも知れない。当時の塗料が乾燥前なら水溶するという特性を持っていたか不明だからだ。

ラッカーやエナメル塗料を使ってきた人にとってはなじみのある方法で、溶剤を使って伸ばすことが出来る。初めから液状になっているのでそのまま塗ることも出来るので使いやすいと言う利点がある。

しかし、有機溶剤は危険物質のため、薄めたり塗ったりする際には、人や周りに影響を与える可能性があり、匂いもあるため、もっと手軽に使える絵の具は無いか?ということで、新しい塗料が開発された。

それが、「水溶型アクリル絵具」である。
これが登場した大きな進歩は、水でのばすことが出来るが、一度水が揮発すると水では溶けなくなるアクリル樹脂の発明となる。

この樹脂に、顔料を混ぜ込んだものが、アクリル絵具(アクリリック)だ。
有名なところでは「リキテックス」や、ホルベイン工業の「アクリラ」などがある。


こちらはアクリル絵具の元祖リキテックスこちらは日本製アクリル絵具ホルベインのアクリラ

アクリル絵具は水溶樹脂と顔料という非常に単純な構造を持っている。
そのためにいくつか特徴的な特質があり、それが、魅力であり、欠点にもなっている。

特徴

  1. シンプルな構造のため顔料本来の特徴がでる。つまり発色がよい。
  2. 水彩絵の具に近いので、希釈度合いにもよるが大変塗りやすく伸びも良い。
  3. 透過性を出す。出さない。という成分も入っていない。そのため絵具の透明性は顔料の特質に依存する。つまり色によって透明性はまちまち。
  4. 光による劣化も顔料の特質によりまちまち。
  5. つや出し、つや消しという成分も入っていない。そのため仕上がりの艶も顔料の特質に依存する。つまり色によって艶もまちまち。
    基本的にアクリル樹脂の特性のみが出るので、半ツヤになる。
  6. 乾燥の早さ、作業誠意の良さは他のアクリル塗料に準じる。
模型用塗料として考えた場合の大きな欠点がいくつか上がった。

個人的には「半ツヤに仕上がる」というのが今ひとつ。
ちなみに、仕上がりツヤの調整は他のアクリル塗料同様、各種メディウムを加えて調整する事になる。「つや消しに仕上げたければマットメディウムを加える。」「ツヤを出したければグロスメディウムを加える。」といった感じ。

「これはいい!!」と思って調べたのがちょっと残念。
私がブラックを使った感じでは、比較的マットに仕上がった。が透明度という面ではガッシュとさほど変わらなかったのかも知れない。ただ、粒子が細かい分、綺麗に仕上がる印象だった。

ちなみに、最近ではネイルアート関連でもよく使われるようで、意外なショップから入手できたりする。また、そういう状況に合わせてパールタイプの絵具も登場している。

さて、この「顔料の特質に左右される。」という特徴を嫌い、ポスターカラーのように、どの色もマットに仕上がり、下地隠蔽力を与えた絵具が「アクリル・ガッシュ(アクリリック・ガッシュ)」ということになる。


こちらはターナーのアクリル・ガッシュ


そのためアクリル・ガッシュは、水彩のような透明感が無く、ポスターカラーのように重ね塗りしても、比較的隠蔽力が高い。
この特質は同時に、マットに仕上がる。という特徴も与えている。
「マットに仕上がる。」というのはどういう事かというと、「表面がザラザラに仕上がり、光を反射しない。」という意味だ。

これは、筆に付けたときの印象でも感じられ、極めて薄くすると、粒子を感じる。
多くの人が、アクリル・ガッシュに対して「良い塗料だけどややきめが粗い」という感想を持つのはこのためだろう。

結局のところ、完全にマットに仕上げるのが前提となると、水彩絵の具のようななめらかさは期待できないのかも知れない。

ホルベイン「アクリラの色見本」このように薄く塗った際の半透明感を表現している。
ホルベイン「アクリラ・ガッシュの色見本」不透明で隠蔽力があるので単色表現。

さて、アクリル絵具について色々と検証してきたが、「じゃあ、ファレホ(vallejo)はどこに属するか?」ということになる。

ファレホの塗料は、「溶剤が含まれていない」こと、「下地隠蔽力がある」ことが謳われているので、どちらかというと「アクリル・ガッシュ」に近いのではないか?というのが私の考え。

しかし、ファレホを使っている人の多くも「ファレホカラーに比べ、アクリルガッシュはきめが粗い。」と発言している。
絵具/塗料は、単純にその呼び名だけではないメーカーやカラーの特質を色々と持っているようだ。
例えば「アクリル・ガッシュ」を使ってみて気に入らなかったと言って、「アクリルガッシュはダメだ。」と判断してしまうのは、ちょっと早計なのかも知れない。

塗料は色をある程度の量、揃えるものなので、あまり早計で判断してしまうと、失敗する危険性もあり、大変難しいものだが、やはり自分で使ってみて、「自分の塗装とのマッチ」なども考えて決めてみたいものである。
無料のテスターなんかあったら嬉しいなー。

さて、本の数日前まで、「ファレホ」その後は「水彩アクリル」の購入を考えていたのだが、いろいろな考察の結果、今一番傾いているのは「ファレホ」かな?でも透明性の高い絵具も捨てがたいなー。まだ、迷っている感じだ。(T_T)

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2012年3月14日水曜日

顔塗り!!その3(違う!顔じゃない!迷彩塗り編 その2)

お仕事が忙しかったり、飲み会が続いたりして、なかなか作業が出来なかったが、久しぶりににUPしてみることに。
前回のアナウンス通りもう一体のカムフラージュを塗ってみた。ちなみにまだ完成してない。ベースにグレーを塗り、その上にブラウン、グレーとブラウンの中間色で縁取りしたのが下の写真。


と、いつものことっだが、なんだか集中してしまって。
途中経過写真はこの一枚だけ。
その後濁ったオレンジで迷彩を仕上げた。本来、このオレンジにも中間色の縁取りがなされるべきなのだが、疲れたので止めた。
というか、完全にこの迷彩を仕上げるためには、中間色の方を先に塗ってからメインカラーを塗り進めるべきであった。


まず、驚くべき報告を一つ。
実は私、出戻って以来フィギュアを塗装するのはこれで7体目になるのだが、なんと、迷彩でない、単色の服を塗るのが今回のフィギュアのパンツが初である!!
うん、私も驚いた。いっつも迷彩ばっかり塗ってるモンね~。


というわけで、このズボン結構気合いが入っている。
さすがに、ドイツ兵を作っていないせいか、手元にフィールドグレイが無かったため、それらしく混色して作った色で塗り、その色に黒を混ぜたものでシャドー1、ブラックでシャドー2、白を混ぜたものでハイライト1の計4色で塗られている。
ブーツが単色塗られており寂しいのは、今後修正の予定。

さて、ズボンの方に結構な階調を付けてしまったので、不満なのは迷彩スモックの、階調の無さである。
実は迷彩服に対する、陰影にはかねてから不満があり「何とか良い方法が無いものか?」と模索していた。
ちなみに著名な、カルビン・タン氏は迷彩色それぞれのシャドー・ハイライト色を作成して塗るのだそうだ。
私もまねして一時期やってみたのだが、まず大変面倒。それぞれの色を混色するなんて本当に大変である。
次に、シャドーやハイライト、ニュートラルに迷彩が入り込んでくると、私程度の腕だとなかなかシャープに塗り分けることが出来ない。

 そこで、色々考えた。
「ブラックや、濃いめのグレーをすごーく薄めて塗れば、確かに暗さを出すことは出来る。」
「しかし、この方法は、せっかくの迷彩をダメにしてしまう場合もある。濃度や筆に取る量を間違うと、非常に醜くなるんだよなー。」
「まてよ?」
「下地の色を透過させたいのに、なぜ、隠蔽力のある、アクリル塗料や、アクリルガッシュを使うのだ。」
「初めから、透明絵の具を使えば、下地をしっかり見せながら陰をしっかり入れられるんじゃないか?」
「しかし、そんな都合の良い絵の具、、、うーん。ある。ある。」

と、言うわけで、近くの100円ショップにはしり、「アクリル絵具」の黒を買い求めた。
アクリルガッシュ」ではない。「アクリル絵の具」である。

「アクリルガッシュ」が水彩の世界でいうところの不透明絵の具「ポスターカラー」に当たるとするなら、「アクリル絵の具」は、透明絵の具、普通の「水彩絵の具」に相当する。

(実際にはそんなに簡単ではなく、メーカー、色により、「グロス」「マット」、「透明」「不透明」各種あり、本格的に使おうと思ったらかなり勉強しないといけないようです。)

で塗ってみた。


モールド強調、シャドー、いろんな部分で大活躍である。乾燥の早さもアクリル塗料そのもので問題無い。すごくいいぞ!アクリル絵の具。

正面写真、レース付近の陰入れ、左胸の大きなシワも非常に自然に陰が入れられたし、サスペンダーもブラウンに塗った後、回数を重ねながら塗ると、革ベルトの劣化感が表現できる。すばらしい。
アクリル絵の具は透明になり、絵の具の濃度で階調を出すのが前提なので、ガッシュや、タミヤアクリルのような、「粒子」を感じることが無い。非常にキメが細かいのだ。
おかげでかなり薄めてもしっかり色が出てくれるし、ガビガビ感もない。そしてなめらかで塗りやすい。非常によい!

ファレホへの移行を計画していたが、タミヤとアクリル絵の具の組み合わせでも結構いけるんじゃないかなー?などと、いろんなことを考え始めてしまった。

どうなるかは今後の判断によるが、お楽しみに。

このフィギュアも塗装になって相当手を入れているが、まだ完成していない。完成したらまた画像をUPしてみたい。


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2012年3月3日土曜日

COD:MWに登場する車両について

いつも濃厚な記事を書いているが、さすがに疲れるし、書くのに時間もかかる。たまには気の抜けた記事を書いてみるのもいいかな?

Call of duty:Modern Warfareシリーズをプレイして、車両付きでの子シーンを再現したら面白いんじゃないか!?と思うシーンの再現について考えてみた。

まずは、ロシア車両。ゲーム中では「ロシア超国家主義派」ということになるだろう。

「COD:MW」で印象的なのはロシアの兵員戦闘車両BMP2だ。
テロ組織の輸送車としても使われているし、なんといっても印象的なのはプライスの15年前の回想として表現されるステージ、「オール ギリード アップ(All Ghillied Up) 」廃棄所に大量のスクラップが登場し、ギリースーツでこの車両と歩兵達のあいだをすり抜けるシーンはとても印象的。
ズベズダ 1/35 BMP-2D ロシア歩兵戦闘車ズベズダ 1/35 BMP-2D ロシア歩兵戦闘車

しかし、この車両の模型、現在は非常に入手状況が良くない。上は非常に入手困難な中みつけた数少ない入手可能店。ロシアの「ズベズダ」製だが、元はドラゴンの金型を「ズベズダ」で購入したものらしい。価格もこなれているので魅力を感じている。
■ドイツレベル■1/35BMP-2【プラモデル】03083■ドイツレベル■1/35BMP-2【プラモデル】03083

もう一つ入手可能なのは「レベル」製品。こちらはほぼ現在入手が不能。残念。値段が「ズベズダ」の倍以上するのはどういうわけだろう?兵員乗車部分の表現有りか?
、、、と思って調べたところ内部表現はありませんでした。キャタピラーがシリコン製でなく、一個ずつつなげるタイプになっています。(後日修正)

ズベズダ製品も今後は入手が難しくなりそうなので、購入すべきかどうか大変迷っている。しかし、最近、作りもしないのに、ちょっと買いすぎで、、、、というところ。
ちなみに、最新型のBMP3という車両もあり、こちらのキットは各社有るため、比較的入手は楽。しかし、BMP3はBMP2とは外見があまりにも違うため、置き換えは難しい。BMP3は兵員の居住スペースの作りが悪いなどの理由で不評らしく、あまり製造/置き換えは進んでいないらしい。その結果、BMP2が現役を退くのはまだ先になるようだ(BMP2もRPGで簡単に破壊されるらしく、決して評判が良いとは言えないらしいが、、、)。


次はCOD:MW3よりステージ「バーガータウン(Wolverines!)」より、BTR-80
このステージではオープニング直後から登場するが、プレイヤーは対抗手段を持たないため避けて移動し、対決時もスモークを炊いて突っ込む形になる。その後は、同車両2台をプレデターで撃破する。
ファミレスの周りを「ダン、ダン、ダン」と主砲の音を響かせながら、我が物顔で走る姿は特に印象的だった。
超国家主義派のフィギュアと組み合わせたらとても良い感じのジオラマが出来そうだ。
あー、なんか解説してたら猛烈に欲しくなってきた。物欲って怖いなー。

ズベズダ ZV35601/35 ロシア BTR-80A 兵員輸送車
ズベズダ ZV35601/35 ロシア BTR-80A 兵員輸送車
価格:2,520円(税込、送料別)

米軍のストライカーによく似た車両で、8輪駆動。最近の軍隊でこの手の足回りを持った車両が増えている理由は、「キャタピラーが必要なほど、完全な不整地での戦闘が少なくなった。」、「車輪駆動の方が、安価で軽量。小型船や、飛行機で運搬する際に便利。」だからだそうだ。

ロシアの軍がアメリカ国内で展開するには都合の良い車両だったことは間違いなさそうだ。

こちらも「ズベズダ」製ズベズダ製品は作ったこと無いけど、魅力的な商品が多いな~。価格もあまり高くないし。


次は「テクニカル」。COD:MWシリーズのゲーム中、良く登場するが、最も印象的なのは「スズメバチの巣(The Hornet's Nest)」中。待ち伏せする敵をある程度片付けて、プレイヤーが前進すると、登場し攻撃してくる。登場は比較的派手なのだが、グレネードを上手い具合に投げつけると、比較的簡単に片付けられる。
「テクニカル」という呼び名は特定の車両のことを指すのではなく、一般的なRVピックアップ改造車の総称で、荷台部が武装されているケースが多い。
MENG Model プラモデル 1/35 ピックアップトラック(軽武装タイプ)[M.Sモデルズ]《発売済・取り寄せ※暫定》MENG Model プラモデル 1/35 ピックアップトラック(軽武装タイプ)[M.Sモデルズ]《発売済・取り寄せ※暫定》

こちらのキットは、新進気鋭、MENGモデルのデビュー二作目ちなみに、一作目もテクニカルで、荷台にはZPU対空機関銃が装備されていた。
こちらのキットには、ポリタンク、ペットボトルなど、多数の小物アイテムが同梱でうれしい。
フィギュアは米軍特殊部隊風のフィギュアとM107狙撃銃となっているが、テクニカルが最も使われるケースはCOD:MWのシーンのような、武装勢力だろう。

付属のアクセサリーといい、とても興味を感じる模型だが、普通に塗装された車両が、劣化して出来た「サビ感」、「汚れ感」を表現するのはちょっと難しそうだ。ウェザリングの研究には大変いいかもしれないな。

という、わけで、今回は「今自分が欲しいキットの紹介」みたいになっちゃいました。
でも、他にも控えているキットもあり、ちょっと新しいキットに手は出せないなー。

別に私が作らなくてもいいので、「おー、このキットでCOD:MWのあのシーンを作ってみたいなー」と思った人は、どうぞ、気兼ねなく、挑戦してみてくださいね。
作成に困ったらアドバイスもするし、完成品を当ブログで紹介しても良いですよ!!

では、また。

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